ウォークインクローゼットは何畳にするべき?使いやすい間取り配置も確認

たくさん衣類がしまえて、便利そうなウォークインクローゼット。でも、どんな間取りのウォークインクローゼットが使いやすいのか、目安が分かりにくいものです。せっかく作るなら効率よく使えるものにしたいですよね。使い勝手のよいウォークインクローゼットとは、いったいどのようなものでしょうか。

この記事では、ウォークインクローゼットのサイズ感や設置する位置の考え方をご紹介していきます。ウォークインクローゼットのメリットデメリットなどもあわせて記載していくので、ぜひお役立てください。

ウォークインクローゼットとは?

ウォークインクローゼットとは、部屋の一角を取ってクローゼットスペースとして仕切った場所を指します。間取り図の略語では「WIC」と表記されます。洋服や小物類を収納するための大型収納スペースで、内部に入って自由に動き回りながら洋服を選ぶことが可能です。

主に洋服好きの方や女性に人気があり、高級住宅などに設置されることが多いです。また、ウォークインクローゼットは広めの収納スペースでなので、部屋の片隅に設置することで部屋全体のスペースを有効活用できるでしょう。

衣類や小物を整理しやすく、衣類の傷みを防ぐこともできます。 一般的には主寝室や子供部屋などの衣類を多く収納する必要がある部屋に設置されることが多いようです。

ウォークインクローゼットの収納タイプ3種類

ウォークインクローゼットの収納方法は、大きく分けて3タイプ存在しています。それぞれのウォークインクローゼットの特徴を確認し、あなたの家族に必要な収納ができるウォークインクローゼットを選択しましょう。

1,ハンガータイプ

ウォークインクローゼットのハンガータイプは、クローゼット内に取り付けられた棚やハンガーに衣服を収納するタイプのものです。 シンプルなデザインのものから、可​​動棚やハンガーラックを備えたもの、照明が付いているものなど、さまざまな種類があります。

広々とした空間に衣服を整理整頓することができるため、使い勝手が良く収納力も高いのが特徴です。ハンガー部分に衣類をかけて収納すると下側に空いたスペースができるので、そこに収納棚などを設置するとさらに多くの物を収納できるでしょう。

2,収納棚タイプ

ウォークインクローゼットの収納棚タイプは、クローゼット内に全面的に収納棚を設けたタイプのことです。 壁面や床面を活用して、収納棚をたっぷりと配置することができます。

洋服やバッグ、靴、タオルなど、あらゆるものを収納することができるため、より多様な収納方法を求める方におすすめです。無駄のないスッキリとした収納方法であることから、部屋全体の美しさをアップさせることができます。

3,ユニット棚タイプ

ウォークインクローゼットの中でも、ユニット棚タイプは比較的簡単に設置でき、衣類や小物などを分類して整理することができるタイプの収納です。

ユニット棚タイプはモジュール化された棚板や引き出しなどの収納ユニットを、自由に組み合わせて収納スペースを作るタイプのもの。そのため、自分の好みや使用目的に合わせて自由にカスタマイズすることができます。

また、棚板や引き出しの位置を変えれば収納アイテムのサイズや量に合わせて調整できます。 長く使い続けやすく、収納スペースを有効活用できるでしょう。

ウォークインクローゼットの形状4種類

1,Ⅰ型

Ⅰ型は、方に壁を設け、その向こう側にハンガーパイプや収納棚を設置する形状のものです。そこまで広いスペースがなくても設置でき、費用も抑えられるところが特徴的な形状でしょう。ウォークインクローゼットのためにまとまった面積が取れないときに有効です。

ハンガー掛け物の位置や高さを調整すれば、自分に合った収納スペースを作ることが可能。大物の収納にはあまり向いていませんが、収納している衣服などに目が届きやすく探しやすいというメリットがあります。

2,Ⅱ型

ウォークインクローゼットのII型は、Ⅰ型よりも広さがあり収納スペースがより充実しています。どちらかというと縦長のスペースをウォークインクローゼットにするときにおすすめです。ドアが2か所設置されて通り抜けられる形状なら、「ウォークスルークローゼット」とも呼ばれます。

基本的には壁に向かって進んでいくタイプのレイアウトで、壁の両面に収納部分が配置されています。正面の壁に鏡を設置すれば、デッドスペースを有効活用できるでしょう。両サイドに収納部分があるので、夫婦で一面ずつ使用可能。家族で兼用しやすい形状です。

3,L型

L型は、空間の形状を活かして配置することができるレイアウトで、2つの壁に沿ってL字型に収納スペースが配置されます。入り口から左右どちらかの壁に沿ってクローゼットスペースを設けるので、反対側のスペースをうまく活用するのが使用のコツ。着替えや整理整頓のスペースとして活用するのも良いでしょう。

L型のレイアウトは、2畳未満の狭いスぺースでも設置可能。住まいにじゅうぶんな収納スペースを設けたいが、他の空間に広さを残しておきたいならL字型のウォークインクローゼットを検討すると良いでしょう。

4,コの字型

コの字型のウォークインクローゼットは、両面の壁と奥側の壁3面がコの字型の収納部分となっている形状のものを指します。3面で収納できるので、家族全員分の収納をまとめて行えるでしょう。奥の隅は収納すると取り出しにくくなりやすいので、収納棚の配置に注意が必要です。

コの字型のウォークインクローゼットが最も収納スペースを多く確保できる形状です。そのぶんある程度スペースを必要とするので、他の間取りと相談しながら配置を検討しなければなりません。

世帯人数で決めるウォークインクローゼットの広さ

ウォークインクローゼットに必要な広さは、使用する人数によって変わります。家族の人数にもよりますが、だいたい2畳~4畳のウィークインクローゼットが適切なサイズとなる場合が多いでしょう。

ここでは、2畳~4畳のウォークインクローゼットそれぞれの特徴や広さの目安などについて記載していきます。

ウォークインクローゼットの広さ おすすめの世帯人数
2畳 2人
3畳 2~3人
4畳 4人以上

2畳のウォークインクローゼット

2畳タイプのウォークインクローゼットは、夫婦二人分の衣類を収納するのにちょうどいいサイズです。間口約180㎝×奥行き約180㎝の正方形のウォークインクローゼットだとすると、収納を両側に60㎝ずつ確保でき、通路も60㎝取れます。通路はそんなに広くありませんが、引き出し式の収納ボックスや衣装ケースの開閉もできる幅です。

3畳のウォークインクローゼット

3畳タイプのウォークインクローゼットは、夫婦二人分であればほかに収納は不要になるほどの収納量があります。間口約180㎝×奥行き約270㎝の長方形だとすると、両側に180㎝のハンガーパイプを設置しても収納棚を作るスペースが残ります。奥行きが広い分収納部分を狭めて通路を広くとることも可能です。

スポーツ用品や旅行鞄なども置くことができますが、大きな荷物を置かなければ子どもの衣類も2人分は収納できます。家族で使用するのにもちょうどよいサイズです。

4畳のウォークインクローゼット

4畳サイズとなると、ファミリークローゼットと言える収納量です。間口約180㎝×奥行き約360㎝の場合、ハンガーパイプと収納棚を組み合わせて家族4人の衣類は楽に収納できるでしょう。通路を十分とれば、二人でウォークインクローゼットで着替えができる広さです。お気に入りの帽子やバックをディスプレイするなど、収納するだけでない楽しみ方もできます。

ウォークインクローゼットの間取り配置

ウォークインクローゼットの配置場所として特に多いのは、寝室の隣です。起きてすぐに身支度を始められるというメリットがあります。ですが、ライフスタイルによってはそれ以外の場所が適している場合もあるでしょう。ウォークインクローゼットの間取りを考えるとき、日常の動線を考えるとヒントになります

ウォークインクローゼットの配置場所は、快適かつ便利な生活を送るためにしっかりと検討をしておく必要があります。いろいろな配置場所の特徴を紹介していくので、あなたの家族にとって一番使い勝手の良くなる場所はどこなのか考えてみましょう。

1,寝室の横

朝起きて身支度をするのに便利なのは、寝室に繋がっているウォークインクローゼットです。起きたらすぐに着替えができるので動線に無駄がなく、朝の忙しい時間に余裕が生まれることから、ウォークインクローゼットの配置位置として人気があります。

夜寝る前にウォークインクローゼットを覗いて明日着たい服を探しておけば、朝起きてすぐその服に着替えることが可能。ただしウォークインクローゼットを寝室に設置する場合は、同室で眠る相手へ物音の配慮をする必要があります。極端にライフスタイルの異なる夫婦だと物音で起こしてしまうこともあり、ストレスに感じるかもしれません。

2,廊下沿い

廊下に繋がるウォークインクローゼットは、同線を分散できるので生活リズムが違う家族におすすめです。寝ている家族の前を通らなくても着替えができ、出かける前に着替える場合も寝室に戻らなくてよいので、気兼ねなく使えます。

廊下にウォークインクローゼットを設置する場合、通路の幅を確保する必要があります。 一般的には、廊下の幅が1m以上ある場合に設置が可能です。

3,ランドリー横

ランドリー横に設置されるウォークインクローゼットは、衣類の洗濯や収納を効率的に行うことができます。 ランドリールームとウォークインクローゼットを統合することで洗濯物をその場で収納でき、各々の収納場所にしまう手間が省けます。

また、タオルやハンガーなどの収納スペースを設けることで、洗面所や浴室と一体化した空間となり、より快適な生活を送ることができます。パジャマやタオルが一緒に置けるのもうれしい点です。家事動線を重視したいなら、ランドリールームに繋がるウォークインクローゼットが良いでしょう。

4.玄関

玄関のウォークインクローゼットは、家に入ったときにコートや靴などを収納するのに便利です。また、コートや靴などを収納するだけでなく、傘やカバン、スーツケースなども収納できるようにしておくと、さらに利便性が良くなるでしょう。

靴が散らかりやすい玄関ですが、シューズボックスだけでなく収納スペースにゆとりのあるウォークインクローゼットも玄関近くに配置しておけば、生活感を感じさせない美しい玄関を保つことができるでしょう。

5,子供部屋

子供部屋のウォーク インクローゼットは、子供たちの衣服やおもちゃなどを収納できるスペースとして重宝されます。また、子供たちが自分で衣服を取り出したり、収納したりすることで、自立心や整理整頓の習慣を身につけることができます。

子供部屋のウォークインクローゼットは、子供たちが扱いやすいように高さや棚の位置、引き出しの大きさなどを調整する必要があります。また、子供たちが安全に使えるように、扉の取っ手や棚板の角を丸くするなどの工夫も必要です。設置場所やサイズは、子供たちが成長することを考慮して、将来的にも使いやすいように計画しましょう。

ウォークインクローゼットの価格相場

注文住宅でウォークインクローゼットの設置にかかる費用は、おおよそ30万~100万程度です。ただし、大きさや形、収納家具の種類や材質、設置する場所などによって費用は変動します。 地域差や工務店や建築会社によっても価格が異なるため、一概にはいえません。

注文住宅を建てる場合は、ウォークインクローゼットを含め収納スペースの設置をすることが重要です。建築計画時に工務店や建築会社に相談して、自分たちのライフスタイルや収納アイテムの量に合わせた適切なウォークインクローゼットの設置を検討しましょう。

ウォークインクローゼットをつくるメリット

メリット①:部屋を整理整頓できる

ウォークインクローゼットを作る最大のメリットは、収納専用のスペースがあるぶん部屋がスッキリすることでしょう。大型のチェストやハンガーラックなどが必要なくなり、シーズンオフの衣類が入った衣装ケースなども収納できます。部屋の壁にあったクローゼットがなくなり、部屋のインテリアを楽しむことも可能です。

洗濯物を畳んでウォークインクローゼットに持っていけば、家族の衣類を一度にしまえて家事効率が大幅にアップ。今まで各々に配っていた衣類が一か所で済むのは大きなメリットです。衣替えもウォークインクローゼットの中でできるので、シーズンごとに衣装ケースを出したりしまったりを繰り返す手間も省けます。

メリット②:身支度がスムーズ

ウォークインクローゼットがあれば衣服だけでなくバックやアクセサリーなども収納できるので、身支度を早く済ませられます。特に忙しい朝など、起きてウォークインクローゼットに入って着替えて出てくれば、ゆっくりコーヒーを飲む時間が生まれるかもしれません。

一か所に衣類などを収納できるので、どんな衣類をもっているかがわかりやすいのもメリットです。同じような服を買ってきてしまうことが減って、節約に繋がるでしょう。服を一望でき、その日のファッションを決めやすいところも嬉しいポイントです。

メリット③:特別な空間を演出できる

ウォークインクローゼットの形状にもよりますが、たとえばL字型のウォークインクローゼットの場合、収納部分でない壁面にドレッサーを配置すれば、メイクルームとして活用することができます。

衣装からメイクまでおしゃれを楽しめる空間は、まるで女優になったような気分になれるのではないでしょうか。好きな小物や雑貨を飾ればさらに気分が上がります。住まいの中にあなただけの特別な空間があると、毎日楽しく過ごせるでしょう。

ウォークインクローゼットをつくるデメリット

デメリット①:湿気対策が必要

ウォークインクローゼットは収納場所として非常に便利ですが、湿気が発生しやすいという問題があります。 特に、クローゼット内の衣類や靴は湿気によるカビや臭いの発生が心配されます。

湿気の原因は、クローゼット内の空気の循環不良や、外気の湿気が室内に侵入することによるものがあります。また、クローゼット内に湿気を生じる原因として、クローゼットの床がコンクリートである場合、地中から湿気が上昇することが挙げられます。

窓が取れればいいのですが、間取り上窓を確保することが難しい場合、湿気やカビ対策は必須です。換気扇をあらかじめ取り付けるとスイッチひとつで換気ができます。ウォークインクローゼット内にコンセントを取り付けて扇風機を回すのもおすすめです。

デメリット②:デッドスペースができやすい

家の間取りによっては、きれいな形でウォークインクローゼットを確保できない場合があります。変形ウォークインクローゼットの場合、収納できないデッドスペースが生まれやすく、面積のわりに思ったほど収納ができないことがデメリットです。たとえば角型のクローゼットだと、角の部分に手の届かないデッドスペースが生じてしまうでしょう。

収納棚の取り付けの工夫や、ハンガーをやめて畳むなど収納方法を変える工夫が必要になります。その過程でクローゼット内のスペースを有効活用しようとするあまりに、クローゼットの出入口や通路を狭くなってしまうこともしばしば。そうすると移動や収納に不便を感じることがあるかもしれません。

デッドスペースを最小限に抑え、有効活用できるようにレイアウトや収納グッズで工夫するようにしましょう。そうすればウォークインクローゼットの利便性を向上させられます。

口コミから見るウォークインクローゼットの使用感

実際にウォークインクローゼットが自宅にある方たちの口コミを、SNSを使って検索してみました。使ってみてわかる使用感についてや活用方法など、参考に見ていきましょう。

口コミ①:たっぷり収納できる

ウォークインクローゼットの収納容量に満足している様子の口コミです。収納スペースが足りなくて困った経験のある方は少なくないと思うので、住まいを整理整頓して綺麗な状態を保ちたいようであればウォークインクローゼットを設置すると良いでしょう。

口コミ②:趣味部屋として活用

ウォークインクローゼットを趣味部屋として活用している方も居ました。この口コミ以外にも同じように趣味部屋としてウォークインクローゼットを活用している方が存在していたので、ちょっとした小部屋が欲しいという理由で設けるのも良いのかもしれません。

口コミ③:メイクルームを完備

奥行きのあるウォークインクローゼットにメイクルームも完備している間取り。これならお洋服に合わせてメイクもクローゼット内で選べます。こんなスペースがあれば、ファッションやメイクが好きな方にはたまらないのではないでしょうか。

口コミ④:自分好みにアレンジ

ウォークインクローゼットを大好きな空間にアレンジして仕上げた方が存在していました。可愛らしい収納棚やライト、そしてミラーを配置して、毎日のおしゃれを存分に楽しめそうな素敵な空間として活用されています。

口コミ⑤:ゲームルームに仕様変更


ウォークインクローゼットをゲームルームとして活用している方も存在していました。ウォークインクローゼットのサイズ感が、ちょうどデスクやゲーミングチェアを置くのに良いくらいのようです。収納棚もあればゲームソフトや攻略本の管理もできるでしょう。


ウォークインクローゼットの活用方法は、人によって千差万別のようでした。たっぷり収納できるウォークインクローゼット内を自分の好きな空間に仕上げて、満足度の高いスペースとしている方がたくさん。使い道は人それぞれなので、あなたのライフスタイルに合うウォークインクローゼットを演出してみてはいかがでしょうか。

ウォークインクローゼットに関するよくある質問

2人暮らしにおすすめのウォークインクローゼットは何畳?
2人であれば2畳ほどのウォークインクローゼットでじゅうぶんに収納できるでしょう。しかし、今後出産などで家族が増える可能性がある場合は余裕を持って大きめのスペースを確保しておくことをおすすめします。
人気のあるウォークインクローゼットの設置場所はどこ?
ウォークインクローゼットの設置場所として人気があるのは、寝室の隣です。朝起きてすぐに身支度ができるというメリットがあります。
ウォークインクローゼットの間取りの決め方は?
あなたの家族の人数でウォークインクローゼットのサイズを考え、生活動線から間取り配置を決めると良いでしょう。
ウォークインクローゼットの価格は?
注文住宅にウォークインクローゼットを設置するには、おおよそ30万~100万円ほど必要です。ただしサイズや品質などによって価格は変動するので、一概に言えません。
ウォークインクローゼットのデッドスペースを無くす方法はある?
収納アイテムなどをうまく配置してデッドスペースを有効活用しましょう。鏡やドレッサーを設置して、着替え専用のスペースにするのも一つの手段です。
ウォークインクローゼットの湿気対策は?
窓や換気扇を設置して、定期的に空気を入れ替えると良いでしょう。扇風機で空気を循環させるのもおすすめです。

まとめ

ウォークインクローゼットの間取りなどについてご紹介してきました。

ウォークインクローゼットは、家の収納量と家事の作業効率を上げることができる夢のアイテムです。広さや間取り次第で、いろいろなニーズに応えることができます。ファッションが好きな方にとっては、お気に入りの洋服に囲まれるお気に入りの空間になるでしょう。

夫婦二人分や家族全員分、または1人1ウォークインクローゼットなど、ご自身の生活に合ったウォークインクローゼットを設計して、便利で快適なマイホームを作ってください。